以下にHYDRAURICSPNEUMATICS1998,august(ペントン社発行)の一部を紹介します:

 

PART3:配管システムは圧縮空気圧システムの設計に関して重要だがシバシバ見落とされる部分である

圧縮空気圧システムの配管部分には幾つかの目的がある。最もあきらかな事は圧力供給源から下流の装置に圧縮空気を供給すると言うことである。また、限定的ながら圧縮空気の貯蔵容器の役割も有し、システムの様々な空気圧装置(process part)の空気供給排出量の制御も行っている。配管材料には様々な材料を使用することが出来、またそれらの組み立て方にも色々なやり方がある。空気圧システム内で使用されるバルブの型式にも色々なものがある。広範なニーズに対応するためには色々な配管のやり方(piping configuration)がある。一つだけ確かなことがある:配管及び配管システムに関する単純明快な答えは殆ど無いということである。

 

配管および組付け法の形式

圧縮空気圧システムに対して用いることの出来る配管材料は色々ある。最も一般的なものは次のとおりである:

*炭素鋼

*亜鉛メッキ鋼

*銅

同様に又、多くの異なった結合方式すなわち組立方式がある(当然ながら、それらの幾つかは、特定の種類の配管材料にのみ有効である)。最も一般的な方式は次のとおりである:

     突合せ溶接

     ねじ結合

圧縮空気配管の設計者の目的は安全で効率的なシステム(さらに取り扱いやすく、将来に対する柔軟性もあるシステム)を作り上げるということを覚えておく必要がある。選定の際に心すべき点は、各材料には圧力及び温度に対する等級が有るということである。各材料が使用されているシステム内の箇所において最高の使用或いは作動温度や圧力を決定することである。使用に先立つテスト条件が記号で示されることもある。大部分の破裂試験は1.5×定格作動圧力である。

圧縮機からアフタークーラまで、温度は107℃(175°F)から295℃(425°F)まで及ぶこともある。そして、空気は水蒸気によって完全な飽和状態となる。もし40番軟鉄管が圧縮機の排出口とアフタークーラの間の管に用いられた時、無視できない量の酸化鉄分がパイプの中に磨耗によってたまることになる。それは分離機ドレーンラインンのどこかに多分発生するはずである。したがって、ドレーンラインの寸法には余裕をもたせ、Y-ストレーナには異物除去バルブを設け、ドレーン溜り(trap)はマメに手入れしなければならない。炭素鋼、ステンレス、亜鉛メッキ鋼などを使用した場合にはかなりの程度までパイプ汚染を減少させることができて、配管やメンテナンスのための余分な手間も必要なくなるであろう。

頭上配管構築のばあい多くは、もし圧縮空気の供給上それが認められるならば、プラスチックやABSを基本にした樹脂材料が軽量であり組み立ても簡単である。それらには耐磨耗性があり費用効果も高い。これらの材料は空気取り入れ口が圧縮機から遠く離れた屋外に設けられているときには殊に具合がよい。この材料は地価取り付け方式に対しても多くの場合よく機能する。地域によっては条例などで頭上配管方式に(火災の時に発生する副産物が問題とされえて)この材料を認めていないところもある。この配管方式においては可撓管を用いなければならない、なぜなら内部あるいは周囲の温度変化による膨張あるいは縮小が発生するからである。  ある素材の場合、定格温度からの温度変化7.5℃に対して、300cmにつき約0.64cmの膨張が起きる。重要なことはこの素材の配管をハンガで固定しないことあるいは、伸縮への配慮無しに直角曲げを行わないことなどである。

 

圧縮機室(The compressor room

比較的小規模なシステムの多くの場合、LKが最良の選択であろう。バルブは銅配管のフランジとフランジの間にウェーファ型或いはバタフライ型のものとしてもよい。ACR銅もまた、清浄性と低空隙度が望ましい場合(例えば、露点が-6℃(-40°F)以下となるようなシステムの場合など)にはステンレス鋼に勝る選択となりうる。




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